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冬の沖縄ダイビングのウエットスーツ事情!バブは海の環境によくない?

沖縄でドライスーツを着用するイメージは、あまりないかもしれませんが、沖縄とはいえ12月は水温20度を下回ることもあります。それでも、ウエットスーツで沖縄の海に潜りたいダイバーも多いですよね。少しでも快適な状態で冬の沖縄に潜りましょう。

 

冬の沖縄ではウエットスーツ?ドライスーツ?

 

日が短くなり、朝晩は吐く息が白くなる冬の季節。本州で潜るダイバーにとっては、ウエットスーツからドライスーツへ切り替え終わった方も多いのではないでしょうか。体感温度に個人差はありますが、一般的にはドライスーツを選択するのは水温が22~23度を下回る日。本州で人気のダイビングスポットの伊豆では10月ごろから衣替えをするダイバーが増えてきて、11月にはほとんどの方が冬仕様に変わるのが通年の流れです。一方、沖縄を始めとする南国エリアでは12月に入ってやっと平均水温が23度になるくらい。人によっては沖縄なら一年中ウエットで・・・と言う方もいますね。

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ウエットスーツとドライスーツの切り替え検討は、水温23度が平均基準

11月 12月 1月
エリア 沖縄 伊豆 沖縄 伊豆 沖縄 伊豆
気温 23 14 19 10 17 7
水温 25 20 23 17 22 15

 

※気象庁、静岡県水産海洋技術研究所、第十一管区海上保安庁のWebサイトより引用
※小数点以下省略

 

本州に比べると陸の気温がそこまで下がらない沖縄では、水温との差があまりありません。それにより、ウエットスーツで潜り続ける方もいますが、やはり23度を切ると寒いのが現実。たとえ沖縄でも、無理せずドライスーツでのダイビングをおすすめしますが、どうしてもウエットスーツで潜りたい方も多いはず。そんな冬でもウエットスーツ派ダイバーの方も寒さ対策は万全にしてください。寒いのを我慢して海の中に入ることは不要なトラブルを引き起こしかねませんし、何より寒いと楽しい気持ちも半減してしまいます。フードやフードベスト、グローブやインナーなどで調整しながら快適で楽しい時間を過ごせるようにしましょう。

 

 

冬のウエットスーツ寒さ対策

 

前記したように寒さ対策として一番に思い浮かぶのはインナーを着ることですが、中には入浴剤の【バブ】を使用している方も見かけます。冬のウエットスーツの寒さ対策のひとつとして賛否両論あるバブですが、実際はどのような物なのでしょうか。また、代用品や対策はどのような物があるのでしょうか。

バブとは大手消費財化学メーカーの花王が出している薬用入浴剤です。通常はお風呂に入れて使うものですが、これをウエットスーツの中に入れて水に入ると発生した二酸化炭素が皮膚から溶け込み、体の表面の血流をよくするため温かく感じます。炭酸風呂と同じ原理ですね。このようにバブを海の中で暖を取るために使用している人がいますが、これはあまりおすすめできません。

理由は3つ。1つ目は、成分が海の環境に悪いこと。2つ目は、本来の用途と違うため怪我やトラブルにつながる可能性があること。3つ目は、袋ごみが出ることです。代用品についても一緒に説明したいと思います。

 

 

【1】バブの成分が海環境に良くない

 

「海に一体どのような成分が悪いのかよくわからない。化学薬品は全てダメなのか?」このように疑問を持っている方は多いのではないでしょうか。そんな時は「水槽に入れるか?」を基準に考えていただくと良いかもしれません。今回のバブはわかりやすいですね。バブを自宅の熱帯魚が泳ぐ水槽や水族館の水槽に入れますか?答えはNOですね。
では、なぜNOなのでしょうか。まずは、バブの成分を見てみましょう。

 

バブ ベルガモットジンジャーの香り
炭酸水素ナトリウム*、炭酸ナトリウム*、硫酸マグネシウム*、硫酸ナトリウム(無水)*、フマル酸、PEG6000、ブドウ糖、グリシン、酸化マグネシウム、ショ糖脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、香料、黄4、赤102、赤227

 

これだけを見るとよくわかりませんので、一つ一つどんな薬品なのか説明します。

成分名 詳細
炭酸水素ナトリウム 重曹やベーキングパウダーのこと。フマル酸と反応して、炭酸ガス(二酸化炭素)を発生させる。
炭酸ナトリウム 炭酸とナトリウムでできた化合物。海に溶けている塩のひとつ。
硫酸マグネシウム 硫酸とマグネシウムでできた化合物。海に溶けている塩のひとつ。
硫酸ナトリウム(無水) 硫酸マグネシウムの無水物。
フマル酸 クエン酸と同じ使い方の食品添加物。炭酸水素ナトリウムと反応して、炭酸ガス(二酸化炭素)を発生させる。PEG6000 化粧品や洗剤などによく使われる石油系界面活性剤の一種。
ブドウ糖 自然界に最も多く存在する代表的な単糖。
グリシン アミノ酸の一種。
酸化マグネシウム マグネシウムの酸化物。慢性便秘症に使用される。 長期投与により血中のマグネシウム濃度が異常に高くなる高マグネシウム血症を起こすことがあり、呼吸抑制、意識障害、不整脈、心停止に至ることもある。
ショ糖脂肪酸エステル 非イオン性の界面活性剤。食品添加物だと「乳化剤」と書かれている。一部で奇形や染色体への異常が指摘される。
ミリスチン酸イソプロピル 香料添加剤として使用される。
香料 化学物質。香料には一括表示が認められているため、300種類以上の香料の中で何が使われているかわからない。
黄色4号 合成着色料・タール色素。蕁麻疹、鼻炎、ぜんそくなどのアレルギー症状を引き起こす可能性があり、ヨーロッパ諸国では使用の規制あり。
赤色102号 合成着色料・タール色素。天然には存在しない。肝機能低下や赤血球の減少、ジンマシンを起こさせる可能性あり。アメリカやカナダなどでは、使用の規制あり。
赤色227号 合成着色料・タール色素。口紅等の化粧品などに使用。

 

化合物自体は海にも含まれているものも多いため、全ての成分が海の環境汚染や人体への悪影響を懸念しているわけではありません。しかし、表を見てわかるように合成着色料や香料、界面活性剤等々の一部の問題点が大きく無視することはできないでしょう。これらを自宅で使用して排水溝から海へ流れ出ることも懸念されている中で、ウエットスーツが寒いからという理由で直接海の中で使用するのはいかがな物かと言わざるを得ません。口から吸収することができない薬品や成分ばかりですし、使用上の注意書きにも「万一飲み込んだ時は水を飲ませる等の処置を行う」と記載されています。人間が口にしないことを前提に作られている物を、魚たちに飲ませるのはよくないでしょう。

 

また、炭酸水素ナトリウムとフマル酸による二酸化炭素の発生も、微弱ながら海洋酸性化へ一役買ってしまう可能性があります。二酸化炭素は水に溶けると炭酸になるため、弱アルカリ性の海水を少しずつ酸性化させているのです。結果として、サンゴ、貝、フジツボなどの生き物の生育に悪影響を及ぼすことが考えられます。

 

 

【2】ウエットスーツの中に入れると怪我やトラブルの原因に

 

本来は200L~300Lほどのお湯に溶かして使用する商品です。花王からも150L~200Lの浴槽の湯に溶かしきってから使用するように書かれています。このような商品をウエットスーツの中に入れて、肌に触れた状態で発泡すると低温火傷をする可能性があります。本来の用途ではありませんので、怪我や事故の引き金になる可能性も十分にあり得ます。火傷をする可能性がある上に、成分を見るとわかりますが温かくなるのは一時的。その後は、体温を放出する役割の成分も入っているため、1本目が終わる頃には使う前より寒くなっているなんてことも。本来の用途以外のバブの利用はおすすめできません。

 

 

【3】バブの包装紙の海ごみ問題

 

冬の沖縄のボートの上にはビーチサンダルと共にバブの包み紙が・・・潜る直前にウエットスーツの中に入れるのですから、ボートの上でごみが出るのは当たり前。ごみ箱へ入れていただければいいのですが、海へ飛び込むワクワクで忘れてしまうのか、はたまた「後で捨てよう」と思ってタオルと共に座席に置いておいたものが風で飛んでしまっているのか。

 

伊豆ではビーチエントリーの準備をする場所にもたくさん落ちています。海岸清掃をしていてもよく拾うごみのひとつです。さて、バブの包装紙はPPというプラスチックでできています。これが海に飛んで行ったら水面に漂って劣化し、マイクロプラスチック・ナノプラスチックになって魚たちに食べさせてしまいます。それどころか蒸発することで雨になり、私たちの飲み水にもなりますから、巡り巡って自分で摂取するプラスチックを増やしていることになっています。プラスチックゴミを減らすことは、地球全体の課題でありダイバーが真っ先に考えて欲しいポイントです。

 

 

バブはおすすめできませんが、冬場もウエットスーツで潜りたい方もいますよね!代用品や別の保温材について紹介していきます。

 

まずは、フードベストを着ること。2-3mmのフードベストを着るだけでもかなり違います。また、水中では頭からの熱放出も多いため、フードを被るだけでも良いでしょう。次に、ダイビングショップで採寸や試着をして自分に合ったウエットスーツを手に入れることです。体型にフィットしていることで、水の出入りが少なくなります。ウエットスーツは身体とスーツの間の水を体温で温めて暖を取りますから、この水が入れ替りすぎないことが重要です。

 

バブに似た商品として、「まじホ」はご存じでしょうか。ダイビングショップがバブの代わりになれば・・・と研究開発した商品です。食品添加物のみで作られていて、袋も水溶性ビニールを使用しています(実際、溶けるのにはかなり厳しい条件が必要なため、ごみ箱へ捨てる必要があります)バブの代わりに使ってみてはいかがでしょうか。

 

 

沖縄の冬はドライスーツが快適

 

それでもやはり寒いのであれば、一番はドライスーツで潜るのがおすすめ。沖縄のダイビングショップでもレンタルをしているお店があります。体験ダイビングや初心者ダイバー、普段は夏しかダイビングをしないダイバーはドライスーツを持っていない方もたくさんいらっしゃいますよね。12月~2月ごろに沖縄でダイビングをする予定の方は、ショップにレンタルのドライスーツがあるか聞いてみると良いでしょう。

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ドライスーツの注意点をいくつか説明します。ボートダイビングをする場合、ボートのトイレ渋滞にも注意が必要です。肌寒いと頻度も増えますし、ドライスーツは脱着しにくく時間がかかります。一度着てしまったら、ひとりでは脱げないデザインが多いですしね。

 

また、準備にも注意が必要です。夏場のように宿から着ていった水着の上にサッと着るウエットスーツと違い、時間がかかってエントリーが遅れがちになることがあります。靴を脱いで靴下や上着の調整をして、狭い船内でゴソゴソとドライスーツを着るのはなかなか大変です。早めにトイレへ行ったり、着替え始めたりと準備を始めておきましょう。

 

 

冬の沖縄でもウエットスーツで潜りたいダイバーの皆様は、寒さ対策を万全にしてください。その際、ごみが出る物や海洋汚染の原因になるような対策を選ばず、フードベストやグローブ、インナーなどで調整をして潜りましょう。隣を泳ぐバディのスーツの中から、溶けたバブの着色料(緑やオレンジの液体)が出てくるところは見たくないです。ぜひ、環境に配慮して「海にお邪魔している気持ち」を忘れずに。海と海に関係することすべてに敬意を払って、自分たちの遊び場を大切に想えるダイバーとして冬の沖縄を満喫しましょう!

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